早大五年生in中国

黒竜江省で軍人に拘束されたら中国に魅了され三ヶ月後に思わず留学した学生のブログ

【その1】初台湾・金門島を無免許原付でかけぬけろ!【中華民国福建省】


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はじめに 

中華民国福建省金門県。名前を聞いてぱっと思い付く人は近代史好きか、台湾好き以外多くないだろう。
台湾島を統治しているのは中華民国政府だが、その中華民国が統治している島のことだ。中華民国成立以来、日本や他国に統治占領されたことがない脈々と続く中華民国領中の中華民国領だ。
近年「台湾人」意識が形成されてきている中でも、金門の人々は「中華民国」意識を保っていたりいろいろある*1のだが、もう、とにかくややこしいのでここでは「台湾の金門島」と呼ぶことにする。*2

 

とりあえず地図を見てほしい。

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赤いマークが付いているところが金門島

こう言うと多方面で問題があるのだが、明らかに中国領であったほうが地理的に収まりが良い場所に金門島は存在する。東京都で言うところの町田市だ。

中国の厦門からの距離は最短わずか2キロ。島中には国共内戦時代の遺跡が多数残っている。
本記事は、そんな魅力溢れる金門島を、真夏にヒイヒイ半泣きになりながら無免許原付で走り回った初台湾旅行の記録である。

 

 1日目  二度ある災難は三度ある!?

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台北の夜市

2018年8月11日、台北松山空港

そもそも、松山空港に着いたときから嫌な予感はしていた。
台北から金門へ渡る飛行機の出発時刻を二時間ほど間違えてしまった。
今回は二時間早く誤解していたケースだったので旅程には影響はない。しかしこれは経験則だが、一度旅で誤解やトラブルが起きると必ずまた何かが起こる。

一時間のフライトを終え小さい金門空港に着くと、タクシーでゲストハウスのある水頭集落まで向かう。水頭集落では、伝統的な家屋が複数リノベされて民宿になっている。車を降り、自分の予約したゲストハウスを確認するためにスマホをチェックした。いや、スマホは無かった。

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宿泊したゲストハウス


スマホ、タクシーに忘れた……。
慌ててまだ小さく見えるタクシーを追いかけた。50メートル走10秒の脚では当然追い付かない。普段の運動不足を恨んだ。

諦めだけは人一倍早い。遠ざかっていくタクシーのナンバーを必死に覚え、宿に向かった。ここで焦っていてもしようがないし、とりあえずゲストハウスにチェックインし、宿の方に助けてもらおう。

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宿周辺の街並み

いや、宿が開いていない。明らかに鍵がかかっているし、何回呼んでも人が出てこない。電話しようにもスマホはタクシー内だし、詰んだ。8月のめちゃくちゃ暑い日差しの中で、しばらく立ったまま呆然としていた。

 

冷静になってふと周囲を見渡すと、一軒の食堂があった。私は急いで飛び込み、「隣の家の人知らない?!ドア開かない!ドア開かない!」と酷い中国語で絶叫した。

店員さんは汗ダラダラでやってきた下手くそ中国語のアジア人に対して気味悪がりながらも、宿主に電話を入れてくれ、無事チェックインができた。

どうにもこの宿は付近に母屋があり、私が突撃したのは小屋のほうであったため人が不在だったようだ。でも予約サイトにはそんなこと書いてなかったよ……。皆さんも金門島でゲストハウスに宿泊するときは、事前に確認するか近くの食堂で絶叫してみてほしい。

宿自体は古民家をリノベした素敵なところだった。

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共有スペース

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良すぎる

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焚き火してた

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無料サービスの朝ごはん

飛行機、スマホ、宿……長い1日だった。でも三分の二は自分の不注意のせいなので仕方がない。そもそも普段スマホを忘れることなんてないのに、どうして海外旅行中に限って落とすのか不思議だ。

なにより怖かったのが、台湾で落し物をして警察のお世話になると実名報道されるとかいう話だ。*3

宿主の方に頼み込んでタクシー会社に連絡をし、捜索してもらうことになった。どうか見つかって……!まだ購入から2年経ってないから!

そう祈りながら、1日目の夜は更けた。

 

「2日目 交通ルールミリしら女の爆走」に続く

chinachangchun.hatenablog.com