早大五年生in中国

黒竜江省で軍人に拘束されたら中国に魅了され三ヶ月後に思わず留学した学生のブログ

【その3】初台湾・金門島を無免許原付でかけぬけろ!【中華民国福建省】

chinachangchun.hatenablog.com

3日目 アモイは蜃気楼のビル群

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バイクごとフェリーに乗船する客が多い

3日目。金門島の隣にある烈嶼島、いわゆる小金門に行くことにした。離島である金門島からフェリーで行くしか交通の手段がない、離島中の離島だ。

 

レンタルした原付ごとフェリーで渡ることができる。

 

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街中に溢れるスローガン

まず上陸するとその異様な光景に目がいく。この島、政治的なスローガンが街中に頻繁に点在しているのだ。

当たり前だが台北ではまずこんな光景はない。台湾で一番かつての軍事政権下のおもかげが残っているのは、おそらくここ小金門だろう。

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中華民国万歳」

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三民主義万歳」の看板、エモい。

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救世主のようなタロイモかき氷

灼熱の中、『三層楼』のタロイモかき氷には本当に助けられた。確か500円しないくらいで、かなりのボリュームがあった。

 

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マジで何もない…!

小金門はとにかく暑い。日差しを遮る陰になる建物もない。人もいない。しかし、牛はいる。

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人はいないが牛はいる

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かわいい

 1人心細く走っていた中、癒しは放し飼いされている牛たちだ。

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畑道を駆け抜ける

『三層楼』から北へ畑道を進んでいくと、海に出る。

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むむ

 

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ち、近い…!

見えた、中国アモイ…!!

金門側ののどかさと比べるとアモイのビル群は正反対だ。波の音しか聞こえない、誰もいないビーチから見えるアモイは、まるで蜃気楼のようだった。


「国境」と表現すると、それは中国側からしても台湾側からしても異議のある言葉かもしれない。

しかし、この目前にある島に行くためには、私は台湾出国手続きをしなければならないし、中国入国手続きをしなければならないし。つまり、ある種ボーダーであることには変わりない。

小金門はとても魅力的な島だ。戦史好きも、建築好きも十分楽しめるだろう。でも、訪れた際にはぜひボーダーウォッチングもチェックしてみてほしい。

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千手観音

ところでスマホはどうなったかというと、結果的に見つかった。宿主の方がタクシー会社に問い合わせて捜索してくださった。スマホはパクられやすいだろうと思って諦めていたので、本当に嬉しかった。

 

さいごに

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2018年8月13日。私は高雄にいた。明日の飛行機で帰国する。長くもなく、短くもないが、良い旅行だった。

高雄はこの日、土砂降りだった。ゲストハウスでチェックインしようとすると、どうやら私が泊まるのはここから数百メートル離れた別館らしい。傘は持っていなかった。もう少し収まるのを待つべきかと玄関で躊躇していると、50代くらいの女性が話しかけてきた。

「困っているんでしょう?私のバイクに乗りな」

彼女はさきほど私の横でチェックアウトしてた。スタッフとの会話を聞いていたんだろう、親切で優しい人だ。彼女の勢いに押されて後ろに飛び乗ると、その勢いのままバイクは高雄の街を疾走した。もちろんバイクなので、私は全身ずぶ濡れになった。