朝鮮族自治州で犬肉を食べる
ヴィーガンという概念に出会ってから、食について思うことが増えた。
よく「ヴィーガンは命を大切にしてるはずなのに植物は軽視するのか?」という揶揄に出会う。
私もどこかで考えていたことだ。
しかし、知り合いのヴィーガンの「人はみな自分の食べる、食べないものに勝手に線引きをしてる。
私の線引きは植物か、動物かということ」という言葉を聞いてから、すごくいろいろと腑に落ちた。
そう、あらゆる文化に属する人はみな、自分たちの非論理的な勝手な線引きで食べ物を食べ物と見なしているのだ。
たいていの日本人は犬や猫を食べないし、食べる人を野蛮、かわいそうと見なす。
一方、他の文化からみればタコを食べる日本人が野蛮であったりする。
文化というのは本来そういった恣意的で身勝手で自己弁護的なものなのだろう。
それ以来私は、「命に線引きをせず、できるだけあらゆる命を食べる」ことをモットーに行動するようになった。
文化相対主義と批判されるかもしれないが、あらゆる文化の身勝手で非論理的な部分を取りこみたくなったのだ。
そのモットーのもと、狩猟に参加して鹿を自分で解体して食べたりしていた。
今回の旅、中国の朝鮮族自治州に犬肉を食べに行ったこともその行動の一例であった。
当時留学していた長春から高鉄で3時間ほど、朝鮮族自治州の延吉にきた。
少数民族の街にはお馴染みの、現地言語での駅看板が見える。
とにかく街中のいたるところにハングル!!!
ここ本当に中国?と思うほど。
そしてもちろん中国の街中の至る所にある“アレ”も……。
韓国語できないはずなのに、読めるぞ!!
明らかに見覚えのある熟語が12個並んでいる。
やっぱり。
市場を散策すると、やっぱりキムチ。
いろんな種類を試食出来て楽しい。
延吉というのは特にこれといった観光スポットがない街だけれど、ブラブラ歩いているだけで楽しい。
犬肉がおいしいと有名な店に来た。これは犬肉鍋。いったいどのような味なのだろうか。
う~ん、普通においしい!
猪と牛肉の間みたいなすこし硬めの食感。でもジビエ的な獣臭さは感じられない。
脂っこくなく、すんなり食べられる味。
このような形で提供されると、犬を食べているという抵抗感はない。
こちらはクミン風味の犬肉と野菜の炒め物。
正直に言うと、普通においしいが、わざわざ東京などで普段から食べるかというとそれはないだろう。
やはり食べなれた牛などの方が好きだ。
ただ、犬肉文化に親しんでいる人がいるのは理解できる程度にはおいしい。
結論:やっぱり豚肉うめえ!!!!!現地の韓国料理うめえ!!!!!