【前編】ベルギー人と、中国・ミャンマー国境に行った
はじめに
国境の町が好きだ。
まず歩いていて楽しい。どちらの国とも言えない融合した街並み、食文化、看板を眺めているだけで旅行感が押し寄せてくる。
また、日本では味わえない陸路の国境を観に行くのも良い。
ここを一歩超えるだけで、違う国に行けるという非日常感が良い。
すでに中国・ロシア国境(黒河)を訪れたことがあった私は、南の国境を眺めるべく中国・ミャンマー国境のある雲南省シーサンパンナ自治州へ旅立った。
一日目 景洪にて
雲南省の省都・昆明から飛行機で一時間。シーサンパンナ自治州の景洪市に到着した。
街並みの東南アジア感!漢文明から遠ざかった感!
この街にはタイ族、ジノー族、ハニ族などの少数民族が多く暮らしている。
この文化のごちゃまぜ感が魅力的。
とりあえずご飯を食べる。レモンライスヌードル140円。
大量のパクチーとフライドガーリックとレモンと肉団子、神の組み合わせだ。
夜になると川沿いはライトアップされ、チルな雰囲気。
街中には。少数民族の多い地域によくある少数民族言語での社会主義核心価値観がしっかりある。これはタイ族の言語タイ・ルー語。
今回の宿はこちら。
一泊200円という破格だ。
開放的なロビーも趣がある。
この宿で出会った中国人の高校生と屋台を見に散歩した。彼は昆明から一人旅で来たという。
翌日、街からバスで二時間ほどの場所にあるジノー族の村に一緒に行くことになった。
二日目 ジノー族の村にはミッキーがいた
村まではマイクロバスで13元(約220円)で行ける。
舗装があまりされていない山道を走るので酔うなんてレベルじゃない。
村に到着した瞬間、何とも言えない気持ちになった。
わかってはいたけど、あまりにも中国によくある少数民族テーマパークの典型例すぎる。
この赤い弾幕ないとダメっていう法律あるのか?
入り口から民族衣装に扮したジノー族の方々が、観光客を踊りで迎え入れてくれる。
ジノー族には、独自の神話がある。
大昔、大洪水がおき、神に愛されていた一組の男女だけが大きな太鼓に乗り生き残って、ジノー山にたどり着いたのだという。
あれそれって完全にノアの箱舟では……。世界の神話にしばしば登場する大洪水伝説は、ジノー族にもあったらしい。
奇抜な民族衣装の展示だ。
こういう観光地に恒例のパフォーマンスもしっかりある。
昼食を食べられる食堂には舞台があり、ダンスを見ながら食事ができる。
終盤にさしかかると、観光客も参加をして一緒にダンスを踊る謎の時間が始まる。
一緒にいた高校生に「絶対に参加したほうが良い」と強く勧められ、私も舞台でダンスをした。今考えると、なぜ勧めた。
そして最後にはダンス参加者で「民族大団結 祖国は一家族 私はジノー山にいます!」という力強い弾幕と一緒に写真撮影をされた。
上の画像はそのときの写真だ。
文化も体験出来て、なんだかんだで満喫。
お土産物を見ていると、ふと見覚えのあるものを見つけた。
ジノー族の村には、確かにミッキーマウスがいた。
「【後編】私は脱北者じゃない!」に続く